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SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連サミットで採択された、2030年までに持続可能でより良い世界を実現するための17の目標です。正式名称は「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」で、貧困、健康、教育、ジェンダー平等、気候変動など、幅広い課題に取り組むための国際的な枠組みです。各目標には具体的なターゲットと指標が設定されており、政府、企業、NGO、個人など、あらゆるレベルでの取り組みが求められています。
SDGsの17の目標とその概要
SDGs(持続可能な開発目標)は、貧困や不平等、気候変動といったグローバルな課題に取り組むために設定された17の目標です。それぞれの目標には具体的なターゲットがあり、より持続可能で公平な世界を目指すための包括的な指針となっています。以下、各目標について詳しく説明します。
1. 貧困をなくそう(No Poverty)
- 概要: あらゆる場所であらゆる形態の貧困を終わらせることを目指します。貧困線以下の生活を送る人々への支援、社会的保護システムの強化、平等な資源の利用、災害や気候変動に対するリスクの軽減を含みます。
- 主なターゲット: 極度の貧困(1日1.25ドル以下で生活する人々)を2030年までに根絶する。すべての人々が経済資源への平等なアクセスを持てるようにする。
2. 飢餓をゼロに(Zero Hunger)
- 概要: 飢餓を終わらせ、食料安全保障と栄養改善を達成し、持続可能な農業を促進することを目標とします。特に、栄養状態の悪い子どもや貧困層に焦点を当てています。
- 主なターゲット: すべての人々が栄養価の高い食料にアクセスできるようにし、持続可能な食料生産システムと気候変動に強い農業慣行を推進する。
3. すべての人に健康と福祉を(Good Health and Well-being)
- 概要: すべての年齢層の人々に健康的な生活を確保し、福祉を促進することを目指します。母子保健、感染症対策、精神的健康のサポートなどが含まれます。
- 主なターゲット: 2030年までに、母子の死亡率を削減し、感染症(エイズ、マラリア、結核など)の撲滅を目指す。
4. 質の高い教育をみんなに(Quality Education)
- 概要: 包括的で公平な質の高い教育を提供し、すべての人々に生涯学習の機会を促進します。教育への平等なアクセスを確保し、ジェンダー格差をなくすことに焦点を当てています。
- 主なターゲット: すべての子どもが無償かつ質の高い初等・中等教育を受けられるようにする。職業訓練や高等教育へのアクセスも向上させる。
5. ジェンダー平等を実現しよう(Gender Equality)
- 概要: 女性と女児に対するあらゆる差別を撤廃し、ジェンダー平等を達成することを目指します。包括的な権利の保障、教育・雇用・政治参加など、あらゆる面での平等を促進します。
- 主なターゲット: すべての場所であらゆる形態の暴力と有害な慣習(児童婚、女性器切除など)を根絶する。
6. 安全な水とトイレを世界中に(Clean Water and Sanitation)
- 概要: すべての人々が安全で手頃な価格の水と衛生設備を利用できるようにすることを目指します。水の品質、利用可能性、持続可能な利用の確保が含まれます。
- 主なターゲット: 2030年までに、すべての人々が安全で手頃な価格の飲料水にアクセスできるようにする。衛生環境を改善し、水質汚染を減少させる。
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに(Affordable and Clean Energy)
- 概要: すべての人々が手頃で信頼性のある持続可能なエネルギーにアクセスできるようにします。クリーンエネルギーへの転換、エネルギー効率の向上が重要です。
- 主なターゲット: 2030年までに、すべての人が近代的なエネルギーサービスにアクセスできるようにし、再生可能エネルギーの普及を促進する。
8. 働きがいも経済成長も(Decent Work and Economic Growth)
- 概要: 包括的で持続可能な経済成長、完全かつ生産的な雇用、すべての人々のための働きがいのある仕事を促進します。生産性向上、労働権の保護、若者の雇用支援が含まれます。
- 主なターゲット: すべての人に働きがいのある仕事を提供し、経済成長を促進。若者の失業率の削減も目標の一つです。
9. 産業と技術革新の基盤を作ろう(Industry, Innovation, and Infrastructure)
- 概要: 強靭なインフラを構築し、持続可能な産業化を推進し、イノベーションを促進します。インフラ整備や技術開発を通じて経済成長を支える基盤を作ります。
- 主なターゲット: 信頼性があり持続可能なインフラを発展させ、包括的で持続可能な工業化を促進し、研究開発への投資を増やす。
10. 人や国の不平等をなくそう(Reduced Inequalities)
- 概要: 国内および国家間の不平等を是正します。機会の平等を確保し、社会的・経済的・政治的な参加を促進します。
- 主なターゲット: 所得格差を縮小し、社会的、経済的、政治的な平等を確保するための政策を実施。
11. 住み続けられるまちづくりを(Sustainable Cities and Communities)
- 概要: 包括的で安全、強靭かつ持続可能な都市と人間居住を実現します。都市のインフラ整備、住宅、交通、災害リスクの削減が含まれます。
- 主なターゲット: 安全で手頃な住宅を提供し、都市の持続可能な計画・管理を強化する。
12. つくる責任 つかう責任(Responsible Consumption and Production)
- 概要: 持続可能な消費と生産のパターンを確保し、天然資源の効率的な利用、廃棄物の削減、リサイクルを促進します。
- 主なターゲット: 持続可能な生産・消費の枠組みを作り、食品の損失と廃棄を削減する。
13. 気候変動に具体的な対策を(Climate Action)
- 概要: 気候変動とその影響に立ち向かうための緊急行動を実施します。温室効果ガスの削減、気候変動への適応、教育と意識向上が含まれます。
- 主なターゲット: 気候変動のリスクと影響を軽減し、災害に強い社会を作るための対策を実施する。
14. 海の豊かさを守ろう(Life Below Water)
- 概要: 海洋と海洋資源を保全し、持続可能な利用を促進します。海洋汚染の防止、持続可能な漁業、海洋生物の保護などが含まれます。
- 主なターゲット: 海洋汚染を大幅に削減し、海洋の生態系の保全と持続可能な利用を確保する。
続きから説明します。
15. 陸の豊かさも守ろう(Life on Land)
- 概要: 陸上の生態系を保全し、持続可能な利用を促進することを目指します。森林、砂漠化、生物多様性の保護、土地の劣化の防止などが含まれます。特に、動植物の多様性を維持し、自然環境の持続可能な利用を確保することに焦点を当てています。
- 主なターゲット: 2030年までに森林の減少を阻止し、砂漠化への対処や土地の劣化を復元する。絶滅危惧種を保護し、生物多様性の損失を止める。
16. 平和と公正をすべての人に(Peace, Justice, and Strong Institutions)
- 概要: 包括的で平和な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、すべてのレベルで説明責任のある効果的な制度を構築します。紛争、暴力、犯罪、差別を減らし、公正な法制度や人権を保護する枠組みを強化します。
- 主なターゲット: あらゆる形態の暴力を大幅に削減し、子どもの虐待や人身売買を防止する。すべての人に法の下での平等と司法へのアクセスを保証する。
17. パートナーシップで目標を達成しよう(Partnerships for the Goals)
- 概要: 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化します。各国政府、民間企業、市民社会など、さまざまな主体が協力してSDGsを達成するための財政的、技術的、能力開発、政策の統合を目指します。
- 主なターゲット: 先進国と開発途上国のパートナーシップを強化し、資金調達、技術開発、能力構築、データの共有を促進して、持続可能な開発を推進するための環境を整える。
SDGsは、これら17の目標を通じて、経済的、社会的、環境的な面での持続可能性を追求するための包括的なアプローチを示しています。どの目標も相互に関連しており、すべての目標に取り組むことで、より公平で持続可能な未来の実現を目指しています。
これらの目標は相互に関連しており、1つの目標を達成するためには他の目標への取り組みも必要となります。SDGsの達成は、国際社会全体で協力して取り組むべき共通の課題です。
ZIEN
2030年ってあと6年ですよね。達成出来るとおもいますか?ちょっと無理ゲーですよね。これを2030年までのブームにせず、持続して取り組むモノにしないとダメだとおもうんです。
「『人新世の「資本論」』で齋藤幸平さんはは『SDGsは大衆のアヘンだ』と書きました。
「個人が少しエコに配慮したところで、この社会がものを過剰に作り続ける限り、本質は変わらない。例えば途上国の土地を奪って、先進国の人々が食べる牛の飼料やアボカドを作っている。そして、ファストフードが安いハンバーガーやサラダを提供している。この仕組みをドラスティックに変えない限り、生活の中での節制や努力だけではSDGsの目標達成は遠いでしょう。企業から個人まで、SDGsとされる取り組みについて、私たちは常に検証し、本質を見抜こうとする態度を持っておくべきです」
結局、マイボトルをもって、エコバックをもつことでSDGsに貢献したというのは嘘なんです。もっと大きな社会システムを変える活動をしないと、利益を最優先し、消費を要求する資本主義社会ではなくなることはないのです。
ではどうすればいいのでしょうか? それがこのZINEのテーマです。